ランゴリアーズ



ロサンゼルスからボストンへの夜間フライト。眠っていた数名の乗客たちが目を覚ますと、周りから人間が消えていた…。衝撃の事実を前に絶望と恐怖でパニックに陥りながらも、元の世界に戻る方法を必死で探す彼ら。そんな中、想像を絶する悪の手が忍び寄ってくる。



あらすじはメーカーサイトより。

元々TV用の作品で、180分と言う長尺です。初DVD化との事で、久々に見てみました。

夜間飛行中のアメリカン・プライド29便。眠っていた10人を残し、忽然と姿を消した乗客と乗組員達。しかも彼らの居た場所には、時計・宝石・眼鏡・財布等の所持品に加えて、歯の矯正器具・ペースメーカーと言った体内のものまでが散乱していた。高度37000フィートの密室で一体何が起こったのか。偶然居合わせたパイロットにより飛行を続けるが、無線で呼び掛けてもどの空港からも応答がなく、都市がある筈の位置には何の光も灯っていない。夜が明け、目的地を変更しバンゴア空港へ着陸するが、人影はなく鳥の声さえもしない。そんな中、唯一「ランゴリアーズ」の音が彼らに迫ってくる…

アメリカン・プライド29便の、現在の乗客は次の通り。
■ニック・ホープウェル:異常事態にも冷静な、謎めいた男。実は彼は*軍の特殊要員で、ある政治家への警告として、その愛人を殺す任務に向かうところだった。*「説得力があるな、政治家になれる」
■ブライアン・エングル:アメリカンプライド航空の機長。元妻のアニーがアパートの火事で死亡し、パイロットとしてではなく乗客として29便に乗り込んだ。「どの犬も吠えない」
■ボブ・ジェンキンス:推理小説家。洞察力が優れており、29便に起こった謎を解いていく。「今までに40冊以上書いてるが、こんなのは初めてだ」
■ダイナ・ベルマン:伯母のビッキーと共に、目の手術に向かう途中だった盲目の少女。(手術で視力が一部戻る確率は7割、完全に戻る確率は4割。)人の「頭の中」が見える。「私達には彼が必要なの。どうしても必要なの」
■クレイグ・トゥーミー:独断で進めた取引により、外国の債券で4300万ドルの損失を出した。翌朝9時の会議に固執。不安定になると紙を破る。「怠け者を皆平らげて、次は僕の番だ」
■ローレル・スティーブンソン:サンフェルナンドで5年生の教師をしている女性。8年振りの休暇で飛行機に乗ったと言う。雑誌の文通欄で知り合った、ダーレン・クロスビーと言う男に会いに行こうとしていた。ニックと惹かれ合う。
■ベサニー・シムズ:伯母の家に行く途中で事件に遭遇、酒とクスリのリハビリ施設へ入れられる予定だった。
■アルバート・カウスナー:バークリー音楽学院生、眼鏡のバイオリニスト。ベサニーと良い雰囲気に。
■ドン・ギャフニー:ヒューズ航空機で作業員をしている黒人男性。初孫に会いに行くところだった。
■ルディ・ウォーウィック:騒ぎの中で最後まで寝ていた男。常に空腹。

「ランゴリアーズ」とは、時間を無駄にする愚か者を喰いにくる怪物のこと。元々はトゥーミーが父親から聞かされていた作り話。物置や下水等の暗闇に潜む小さな生き物で、見た目は全身が毛と歯だけ。跳ね回る悪い子達を捕まえる為に足が速い。悪い子達が沢山居るから、世界中には何千と言うランゴリアーズが居る。そのランゴリアーズが実在のものとなって襲いかかってくる。

物語の簡単な流れ。
バンゴア空港に着陸した面々。そこでは音が反響せず、時計も電話も動いていない。マッチは燃えず、ビールには味がない。錯乱したトゥーミーにアルバートが撃たれるが、弾も効かない…。これらの状況から、*時間の裂け目を通り極最近、15分程度の過去へジャンプしたのだと推理するジェンキンス。モハーベ砂漠の上空に季節外れのオーロラが出ていたが、そこに裂け目があったのだろう。世界の人々が消えたのではなく、彼らの方が世界から消えたのだ。
「これが『過去』なのだ。空っぽで、音もなく、投げ捨てられた空き缶と変わらない。知覚への刺激は皆無で、電気も既に消えた。『時』自体が速度を増して、螺旋状にほどけているのだ」
飛んできた航路を逆行して裂け目に飛び込めば、元に戻れるかもしれない。しかし残りの燃料は少ない。銃が駄目だった以上、この空港の燃料は使い物にならないだろう。呆然とする彼ら。

ダイナは頻りに「何か嫌な音が近付いてくる」と言う。トゥーミーはそれを、ランゴリアーズが迫ってくる音だと信じている。
死んだような空港の中、29便だけが輝いて見える。アルバートが思い付いて、マッチを飛行機の中に持ち込んで擦ってみすると火が点いた。ビールも味がする。*外は「過去」だが機内は「現在」なのだ。給油すれば、燃料も「現在」に戻る筈だ。
そんな中、発砲した事で拘束されていたトゥーミーが逃げ出し、*ダイナをナイフで刺してしまう。トゥーミーはギャフニーも刺殺。しかしダイナは「トゥーミーは必要だから殺さないで」と言う。
給油の最中に、遂にランゴリアーズが姿を現した。*ダイナの言葉に導かれて外に飛び出したトゥーミーに、ランゴリアーズが群がる。その隙に飛び立つ29便。
順調に飛行を続けるが、ダイナは途中で息絶える。
「望みが叶ったわ。私、トゥーミーさんの目を通して見えたのよ。何もかも美しかったわ、死んでいるものでさえ…」

裂け目に到着した29便だが、起きている状態で裂け目を通れば他の乗員乗客のように消えてしまう筈だ。*そこで、機内の気圧を7PSIまで下げて全員を失神させる事にする。しかし着陸の為には誰か1人が起きていて、裂け目に入る直前に気圧を戻さなくてはならない。その「誰か」は死ぬ事になる。自分がやると申し出るニック。止めるローレル。
「俺の人生は大赤字だ。でも今なら帳消しに出来る。俺は止めるつもりだったと、君はそれを信じたと父に伝えてくれ。ベルファストの教会の外で起きたことの償いに努めた、と。それでも駄目なら、ヒナギクの話を思い出してくれるように…」
裂け目を通り抜けると、時計を残してニックの姿が消えた。
ロスに着陸するが、この空港にも人影はない。しかしここでは音が響き、様々な匂いがする。彼らは少しだけ未来に降り立ったのだ。やがて「現在」が彼らに追い付いてきた。居合わせた子供達に「新しい人たちだ」と言われる彼ら。新鮮な空気を吸い、生きた空を見ようと明るい光の中へ駆け出していく。


スティーブン・キングのランゴリアーズ [DVD]

初見前に原作を読んでいたのですが、途中経過もラストも、かなり忠実に作られていた印象。原作ではローレルは「会った事もない男とセックスする為にボストンに行くなんて」と自嘲気味、ベサニーはもっとジャンキーな感じが強調されていた気はするけど。

見る前はかなり楽しみでした。小説を読んで自分で想像していると、どうもランゴリアーズが愛嬌のある感じのビジュアルになっていたので、きちんと映像化されたものが見たかったのです。しかしTV用の作品だし、時代的な部分を差し引いてもCGは残念な出来映え。これなら自分の想像の方がw 今のCGで見てみたい気もするけど、そもそもランゴリアーズ自体が子供を怖がらせる為の怪物だものね。

CGは兎も角、物語は面白いです。3時間あるだけに人物描写が丁寧で分かり易いし、会話も良い。特にエングル機長とニック。
中でも好きなのが序盤のこれ。「孤立無援だ。100%、完全に、取り残された」「しっかりしてくれ、パニックはご免だ。君の仕事は我々10人を無事に陸へ戻すことだ」「分かってる」「だと思った。さすが機長だ」「…君の仕事は?会計士なんて言うなよ」「イギリス大使館の下級職員」「冗談だろ」「書類に書いてある。あとは、女王陛下の修理人。必要とあらば何でも治す。今は君だ」「もう治った」「結構」
デヴィッド・モースはどちらでもいけるけど、こう言う「良い人」役の方が好きだな。

ニックはトゥーミーに「『スタートレック』は見る?黙らないと、スポックのスリーパーホールドをかけるぞ」と言ってノーズホールド。アルバートは「『インディジョーンズ』ごっこで、超強力な武器を作ったことがある」と言って、シーツにトースターを包んだものでトゥーミーを撃退。
寝ていると生命体としての機能が低下していて、裂け目を通過出来るのかな?体内の物が残るくらいなら服や靴は?とか分からない部分はありますが。

長尺だけど飽きずに見れるし、キング作品の映像化としては結構良い出来ではないかと。キング自身は、空港での「会議」に出席して姿を見せてます。



レンタルDVDにて鑑賞 3.2
原題:THE LANGOLIERS
本編:180分 劇場未公開
監督:トム・ホランド
※痩せゆく男・アイスクリーム殺人事件
出演:
マーク・リンゼイ・チャップマン(ニック・ホープウェル)
デヴィッド・モース(ブライアン・エングル)
※ブルータル@グリーンマイル
ディーン・ストックウェル(ボブ・ジェンキンス)
ケイト・メイバリー(ダイナ・ベルマン)
ブロンソン・ピンチョット(クレイグ・トゥーミー)
パトリシア・ウェティグ(ローレル・スティーブンソン)



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Date: 2008.11.24
Category: ホラー
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